企業や住宅所有者が建設資材を調達し、信頼できるサービスプロバイダーを見つけるためのワンストップのデジタル住宅建設プラットフォーム。
The Moon Journey
EC Vietnamチームは当初、鉄鋼事業向けのB2BおよびB2Cのeコマースプラットフォームの構築に、アウトソーシングデベロッパーの活用を計画していました。しかしチームは、ユーザーデータなしに開発に着手するのではなく、Moonと協力して、住宅所有者、小規模の小売業者、製造業者を対象としたクリックスループロトタイプを開発しました。
チームは、ベトナムの実際の住宅所有者、小売業者、請負業者から、プロトタイプに関するフィードバックをまとめました。このフィードバックに基づいて、プロトタイプの作成を繰り返し、顧客データに基づいてeコマースプラットフォームを構築する方法について明確な方向性を示しました。
Challenge
建築材料用のオンラインB2BおよびB2Cプラットフォームのアイデアに関心を持つ潜在的な顧客層を特定することでした。この理論を検証するために、チームは運用可能なプロトタイプを作成し、小規模の小売業者、製造業者、個人住宅所有者などのターゲットユーザー間でテストをする必要がありました。
Opportunity
ベトナムの住宅所有者の多くは、家を建てるための材料を自分で購入することを好みます。このプラットフォームは、住宅所有者との信頼を構築し、小規模の小売業者が顧客と直接つながる機会を提供します。さらに、製造業者は独自の顧客データにアクセスして、現在のサプライチェーンの効率を向上させることができます。
Where EC Vietnam is today
EC Vietnamは、まとめた顧客データと改訂したプロトタイプを使用して、eコマースプラットフォームの開発について地元のパートナーに通知をしています。
Project Team
中嶋芳宏
Project member
堀新
Project Lead
多田信悟
General Manager
. . . . .
Iron & Steel Products Business Unit
Value Chain Solution Dept
Mitsui & Co., Ltd
Moon Team
Anke Pierik
Feng Liang
Lung Tsai (Ryu) Liu
Ted Ko
Executive Sponsor
Mary Ann Gallo
組織アイデアがいかにして個人のトランスフォーメーションを引き起こしたか
「この人との出会いは、起こるべくして起きたことだったのだ」と感じるようなことがあります。友人であれ、同僚であれ、共通の問題や発見を共に経験することで、より深い信頼関係をきずくことができます。こうした関係は私たちをコンフォートゾーンから押し出し、不可能だと思っていた局面で力を発揮させることがあります。こうした関係は、個人の永続的なトランスフォーメーションを促します。
堀はもともと、ベトナムの消費者と企業向けのeコマースプラットフォームというプロジェクトへの協力を要請するためにMoonにアプローチしました。Moon committeeからプロトタイプの設計を承認された後、8月初旬にMoonチームとなるGlobal Head of Marketing & CommunicationsであるMary Ann GallとProgram DesignerのFeng Liangを紹介されました。
「ベトナム三井物産は、すでにかなりの市場調査を自分たちで行っていました。チームはベトナムで鉄鋼取引事業を行っているので、市場の構造とプレイヤーを理解しています。Moonと協力する前に『ユーザーの弱点は何だろうか?』ということを考え、自分達で仮説を立てていました」
「その仮説を検証するために、Moonに連絡をすることにしました。当時私たちはMoonについてよく知りませんでした。また三井物産の鉄鋼チームはB2Bの鉄鋼取引に精通しているのですが、B2Cや住宅建設に関しては、まったく経験がなかったのです。EC VietnamがB2Cの調査を開始したのは、ベトナムの個人住宅所有者が鉄鋼を選ぶプロセスにより深く関与していたからです。そのためこの分野のサービスモデルの新しいアイデア作りの支援をMoonに頼もうと思ったのです。」
堀は、MoonのProgram DesignerのFeng Liangとパートナーを組み、プロジェクトを一緒に進めていきました。Fengは一緒に働くことで2人が経験した個人的なトランスフォーメーションについて、こう振り返っています。
「堀さんは、実際に自分で取り組みながら、新しいことを学ぶ気構えができていました。私はいつも、すぐにでもやりたいと思う人を尊敬しています。彼はプロジェクトの成功を信じていました。とても堅実な考え方の持ち主で、人々に自分のアイデアに賛同してもらうよう説得したいと考えていたのです。彼は上司を説得して、Moonと共に自分の仮説を進める方法を見つけたのです」
Fengは続けます、「プロジェクトを公式に開始したのは10月。当時、私はパンデミックに加えて私生活でも色々なことが起きていて、落ち着かない日々を送っていました。私は新たな学びを得るために、まったく新しいことをしたいとも思っていたので、ネガティブなままでいるわけにもいきませんでした。前に進み、何か新しいものを学ぼう。そう決心をして、他のデザイナーよりも早くプロジェクトに参加し、想像力を活かして基本的なプロトタイプを構築しようとしました」
「私の感じたことや見たこととは関わりなく、このプロジェクトの最大の成功はプロトタイプではなく、堀さんのトランスフォームにこそありました。私たちが彼に見せようとしたものを熱心に受け入れるだけでなく、彼は意図的にそれを応用しました。バリュープロポジションについて話し合い、解決しようとしている問題の本質を見極め、安易な解決策には飛びつかないようにしました。堀さんはこうしたことをすべて考慮していたのです」
「堀さんと一緒に仕事をして学んだことは、考えすぎず、とにかくやってみることで、新たな答えが見つかるかもしれないということです。私たちは、動くことなく、考えすぎることがよくありますが、それでは何も起こりません。もし三井物産の同僚からアドバイスを求められたら、私は次のように答えます。『Moonは、あなたのために何かをしてくれる人たちの集まりではありません。Moonは、あなたと共に何かを成し遂げたいのです』。私たちは共に仕事をすれば、お互いに学ぶことがあり、何か違うことを感じ、そしていつか自分自身も変わることができるかもしれないのです」
Fengはこう続けています。「このプロジェクトは、もう一度実現できるような典型的な『成功』プロジェクトだったとは思いません。私は堀さんが変わり、彼自身もその変化を楽しんでいたことを嬉しく思っています。変化を嫌い、考え方を変えない人もいます。彼が柔軟にトランスフォーメーションを楽しんだことをとても嬉しく思います。自分のことを熟考する機会ともなりました」
「このプロジェクトを通して、私は彼を助けることで自分自身を助けていることに気づきました。彼は予期せぬ光でした」
堀とFengは共に、EC Vietnamのプロジェクトに取り組むことで、個人的にも仕事の面でも成長しました。顧客データと新たに新たなスキルを身につけたことで、堀はEC Vietnamプロジェクトを市場に投入するための十分な準備が整っているようです。