私がパンデミック中に経験した最も奇妙な行動のひとつは、朝早くにスーパーに駆け込みトイレットペーパーを買い(もちろん1人1パック限り)、お金を払ったときに、満面の笑みを浮かべたことでした……それはまるで、いまだ手に入らないPlayStation 5をついに買ったかのようでした。
自分を含め、多くの人が間違いや完璧でないことを恐れなくなったとも感じました。コロナ禍によって変化を余儀なくされたからです。良い例がオンライン診療の普及です。通常は規制の厳しい医療業界ですが、コロナ禍で病院が混雑し、専門家も政治家も新しいものを試す以外の選択肢がなかったのだと思います。
在宅勤務もその一つです。そうせざるを得なくなれば、私たちはいかに素早く柔軟に変化に対応できるかを示しています。これまでは満員電車で通勤し、何時間もオフィスにいて、また満員電車に揺られて帰るというのが唯一の選択肢でした。チームが協力し、優れた結果を出すにはそれしかないと思っていました。しかし今年は、新型コロナに関するすべてのルールやガイドラインに速やかに対応し、全員が通勤をやめて自宅で仕事をしながら、4つの新しいMVPを発表し、25人の新しい人材を採用し、20以上の新しいプロジェクトをサポートし、多くの三井物産の組織で新しいベンチャーの立ち上げを支援するなど、すばらしい成果を上げることができました。リモートでもしっかり働き、これだけの業績を収めてくれたMoonと三井物産の皆さん、本当にありがとうございます! ばんざーい!
これらの経験から私が学んだ最大の教訓は、人間はいとも簡単に自分で作った枠の中に閉じこもってしまうということです。無意識に作ってしまう枠、あるいは障壁が、何かにチャレンジしようとする意欲や自由な発想を妨げます。2020年のコロナ禍のような悲劇がなければよかったと思いますが、どんな危機があっても人間は立ち向かうものです。私たちは変化し、適応します。
私は、今後もMoonが三井物産、日本、そして世界の中で人を中心に据えた変化とイノベーションを推進し、クリエイティブな可能性を解き放つと期待しています。
簡単にいくでしょうか?……いいえ。では、実現できるでしょうか?……わかりません。でもかまいません。確かなことは、チャレンジするのが楽しいということです。
Moonと共にあらんことを(May the Moon be with you)
横山賀一