生涯教育のために厳選された短時間の音声コンテンツが聞けるプラットフォーム、VOOX
Challenge
現代では、あらゆる方向から提供される、膨大な量のコンテンツが溢れています。そのためユーザーは、通勤中や会社などの休憩時間に聞ける、短くて有意義な教育的コンテンツを見つけるのに時間がかかることがあります。特に影響を受けているのは、コース取得のためのまとまった時間を確保することができず、キャリアや教育を諦めることが多いワーキングマザーです。課題は、複雑なコンテンツを、革新的なメディアフォーマットを通じて、消化しやすく厳選して提供することです。
Opportunity
VOOXは10分単位で気軽に学べる音声メディアです。クラブハウスの日本参入によって、音声市場への注目が益々高まる中、VOOXはユニークなポジショニングで、活字や動画で学習するのではなく、音声で学ぶという新たな体験を提案しています。誰もが気軽にアクセスできるようにして、「学ぶ」ということを毎日の習慣に変えていくことを目指しています。
EIR洪の自己啓発とVOOXのミッション遂行の両方を支える「成長」のコンセプトとは
Words by Kyra Yamamoto
洪と会えばすぐに、その気取らない笑い方と快活な性格の虜になるでしょう。Moonでの経験やベンチャーを意欲的に生き生きと説明してくれます。彼女は会ってすぐに親しみが沸き、ベンチャーの成長を支援したくなる、そんなタイプの起業家です。
Moonの前は、三井物産のモビリティ本部に所属。大型の航空機パーツを世界に販売していました。重要な仕事でしたが、彼女が夢見ていたこととは異なっていました。自分自身のニーズから生まれたアイデアを実現したかったのです。
洪がMoonと共有したビジョンは明確でした。それは、人々が簡単に自分で学べる世界を作るというものでした。「VOOXのアイデアは、私が欲しいと思ったものから生まれました。私は読んで学ぶより、聞いて学ぶ方が好きです。効率がよく、覚えやすいからです。人が自分の人生で経験したことについて語っているのを聞いて学ぶのが好きです。そのほうが記憶に残り、リアルだからです」と言います。
彼女がMoonに参加したのは、パンデミックの最中の2020年4月27日でした。「パンデミック前は日本の通勤者が最大のターゲットオーディエンスでした。しかし今は新型コロナの影響で、通勤機会が激減しました。ユーザーインタビューで、VOOXのサービスはワーキングマザーのライフスタイルに最適であることがわかりました。ユーザーのフィードバックほど頼りになるものはありません。ユーザーフィードバックをもとに検証しなければ、話していることは、すべて仮説に過ぎません」と彼女は話します。新たに集めたデータからも、VOOXが世界で必要とされていることが確信できました。「ターゲットオーディエンスは変わりましたが、VOOXのビジョンは変化していません。表現は変化し、進化するかもしれませんが、ビジョン自体は変わりません。私達はいつも、人が日常的に学べる場所を作りたいと考えてきました」。
Moonに加わってから新しい学びの連続でした。人々に学びの機会を与えるというベンチャーが、彼女自身の成長と密接な関係を持っていたことも、不思議ではないでしょう。「何かうまくいかない場合には、それを受け入れて、必ず別の方法があると考えます。すべてのプロセスが学習であることを理解していれば、常に再挑戦し続けることができます。あらゆる段階で変化し、適応していかなければなりません。私は常に多くのことを学んでいます。Moonに来てから、さまざまな人と一緒に働きました。完全なリモートワークも開始しました。今までプロダクトを作ったことがなく、FigmaというツールもNotionも知りませんでした。企業のジャーニーの中で、こうした新しいスキルとツールを習得してきたのです」。
洪が起業家として、またリーダーとして成長しただけではありません。ベンチャーも成長しました。９月、チームは最初のMVPを発表してテストを行い、アプリの教育コンテンツを開発するために専門家との提携を開始。わずか6ヶ月でモバイル用アプリのベータ版をローンチし、その後、12,000件以上のダウンロードを獲得しました。さらに、ハーバード・ビジネス・レビューの元編集長、岩佐文夫氏が編集長としてチームに加わることになりました。
「コンテンツクリエイターが見返りなしに強力なサポートをしてくれ、VOOXのニュースを広めてくれました。VOOXを信頼してくれたからです。アプリのリリース前には、こんなことが起こるとは思っていませんでした。リリース後、コンテンツクリエイターにニュースをメールやSNSで拡散して欲しいと依頼しました。今では私からの依頼なしでも、コンテンツクリエイターの方々が拡散してくれるようになりした。これらのことは、私やチームが、本当に人が必要としているものを作っているのだという自信に繋がりました」。
予測不能な年にベンチャーを立ち上げる。誰も想像しなかったことですが、洪はその快活さと根性を活かし、レジリエンスの高い起業家として活躍しています。「最も重要なことは、自分は完璧ではないと認めることだと思います。完璧な人などいません。その事実を受け入れることで、私はずっと楽になりました。以前は、すべてを完璧にこなさなければならないと思っていましたが、そんなことは無理だと気づきました。私が知らないこと、学ばなければならないことはたくさんありますが、それでいいのです。自分が完璧ではないことを認めたことで、以前よりも違和感なく過ごせるようになりました。起業家としての経験が教えてくれたのは、新しいことやチャレンジを受け入れ、常に行動から学ぶということです」。
「何かうまくいかない場合には、それを受け入れて、必ず別の方法があると考えます。すべてのプロセスが学習であることを理解していれば、常に再挑戦し続けることができます」
Entrepreneur–in–Residence
洪貴花（Guihua Hong） Chemical Industry Mitsui & Co. Ltd.
Moon Team:
Bryan Ma 今野 千尋 ウィスター 舞野 Matt Phillips 三橋 竜二 西森 新吾 Ted Ko
Executive Sponsor:
Mary Ann Gallo
Where VOOX is today:
質の高いコンテンツ提供者を継続的に増やしつつ、月間アクティブユーザー数の増加に努めています。
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