2020年4月に私がMoonに加わった頃は、パンデミックの影響でこんなにも異様な年になるとは、まだ誰にも分かりませんでした。私たち全員にとって、公的にも、私的にも過酷な道のりでしたが、パンデミックによって私自身も人材採用チームも今までとは異なる考え方をするようになりました。採用において、より幅広く、より大胆に、よりクリエイティブに考え、以前は思いもよらなかった候補者選定ルートを開拓せざるを得なかったのです。
チームは、パロアルトと東京の両方で社員数を倍にし、並外れた人材を採用するというアグレッシブな目標を掲げました。コロナ禍以前には、対面のネットワーキング・イベントを主催したり、会議に出席したりするつもりでした。両拠点でインタビュー・パネルやキャリアフェアを行うことも考えていました。しかし、こうした既存の採用方法はすべて不可能になりました。
また、Moonはまだ初期段階にありました。私たちの組織は2年目で、「成長期」であることが余計プレッシャーになりました。Moonのこの重要な形成期に採用した人材が、カンパニーカルチャーの色合いを決め、結果としてどのような会社を目指すのかを定義づけることになります。私たちの目標は性別や民族的に多様な人材というだけでなく、人生経験、性格および職業選択においても多様な人材を採用することでした。
採用チームは、トップクラスの人材を惹きつける新たな方法について粘り強くブレインストーミングを重ねました。スタートアップ・エコシステム、テクノロジー分野の女性、さらにはゲームの業界団体等への接触まで試みるなど、オンライン上で新しいことに取り組みました。また、東京やカリフォルニアを飛び出し、米国全土やアジアの多くの地域にまで手を広げました。
その結果は驚くべきものでした!年末には、ユニークで刺激的な経験を持つ26名の素晴らしいメンバーを採用しました。米国中のいくつもの最も先進的な博物館でインタラクティブな展示を行った経験のあるフルスタック・エンジニア、極めて複雑な3Dプリント・アートを趣味で制作しているプロダクト・デザイナーもいます。当社のGlobal Head of Productは、世界的なクリエイティブ・プロジェクトで大成功を収めたファンディング・プラットフォームの共同設立者でした。Moonの起業家たちはリテールから気象、ヘルスケアにいたるまでのあらゆる分野で自らのビジネスを立ち上げた人々です。新たなチームメンバーは5か国から集まり、話す言語は11種類に及びます。彼らの嗜好は、アート、音楽、科学、ゲーム、アニメ、タピオカティー、カラオケにいたるまで多岐にわたっています。
とりわけ素晴らしいのは、ここでは誰もが、温かい人柄、好奇心、そしてMoonが築いている「人中心」というカルチャーを体現する精神を持っていることです。誰もが、独自のスキルと、自分たちを評価できる気質を持ったダイナミックな人です。毎日仕事をし、共に学び作り上げているあらゆることに触発されるのを、いつも楽しみにしています。